EAFF女子東アジアカップ2015プレビュー

中国

予選ラウンドを勝ち上がった前回のEAFF女子東アジアカップ2013は、韓国に勝利したものの、日本と北朝鮮に敗れて4位に終わった中国。

しかし、カナダで行われたFIFA女子ワールドカップ カナダ2015ではベスト8に進出し、アジアの強豪国としての自信を取り戻してきている。中国が最高のパフォーマンスを見せたのは準々決勝のアメリカ戦。決勝戦で5 − 2と日本を破り優勝するアメリカに対し、内容的に互角の勝負を演じたのだ。0 − 1で敗れたものの、アメリカの強力なアタッカーに対し、リ・ドングナ(Li Dongna)を中心としたディフェンス・ラインが粘り強く抑えた。

攻めてはFWのワン・シャンシャン(Wang Shanshan)のポストプレーからチャンスを作り出し、2列目のハン・ペン(Hang Peng)、ルー・ジアウィ(Lou Jiahui)、ワン・リシ(Wang Lisi)が鋭くドリブルを仕掛けゴールに迫った。[4 − 2 − 3 − 1]というシステムをベースに中盤でしっかりとパスをつなぎ、高い位置から攻撃陣が個人の打開力を発揮するのが基本スタイルだが、良いボールの奪い方をすれば鋭いカウンターを繰り出す。

FIFA女子ワールドカッップ カナダ2015に出場した選手の大半が25歳以下という若いチームだけに、EAFF女子東アジアカップ2015の目標は初優勝となるが、同時にリオデジャネイロオリンピックの予選に向けて、日本など強力なライバルを相手にメンバーが経験を積み、さらにチームとしての結束を強める大会になる。




朝鮮民主主義人民共和国

女子サッカーの世界において、朝鮮民主主義人民共和国は強豪国として知られている。AFC女子アジアカップ優勝3回、オリンピック出場2回、FIFA女子ワールドカップ出場回数も4回を数えるほどだ。FIFA女子ワールドカップ ドイツ2011でのドーピング違反により、2012年ロンドン・オリンピックとFIFA女子ワールドカップ カナダ2015への予選参加を禁じられたが、FIFA U-20女子ワールドカップ 日本2012でベスト8、FIFA U-17女子ワールドカップ コスタリカ2012で準優勝するなど、新世代も台頭。ユース時代から国際経験を積んだ若手が順調に育って世代交代にも成功し、前回のEAFF女子東アジアカップ2013では初優勝。AFC女子アジアカップ2014では準々決勝で中国、準決勝で韓国、決勝では日本を下し、見事、金メダルにも輝いた。

連覇を目指す今回のEAFF女子東アジアカップ2015は、AFC女子アジアカップ2014で金メダルを獲得したメンバー中心のチーム構成で挑む。指揮官は2005年から同国女子代表監督を率いてきたキム・グァンミン監督。選手たちを知り尽くし、アジアのライバルたちも熟知しているベテランだ。若手が成長を遂げたことで、中盤をダイヤモンド型にした4 -4 - 2の攻撃サッカーにも一層の磨きがかかった。同国協会副書記長で在日朝鮮人蹴球協会の李康弘理事長も、「今大会は目標とするリオデジャネイロオリンピック出場に向けた点検作業になると同時に、世界に我々の存在をアピールできる絶好の機会」と期待を寄せている。




日本

6月から7月の初旬にかけカナダで行われたFIFA女子ワールドカップ カナダ2015では悲願の連覇こそ逃したものの準優勝に輝き、佐々木則夫監督率いる“なでしこジャパン”(日本女子代表)はFIFA女子ワールドカップ ドイツ2011、2012年のロンドンオリンピックに続き、世界大会で3回続けて決勝に進出する快挙を成し遂げた。

6大会連続でFIFA女子ワールドカップ出場となったMF澤穂希(INAC神戸)を象徴的な存在として、キャプテン宮間あや(岡山湯郷)、守備のリーダーである岩清水梓(日テレ・ベレーザ)など経験豊富な実力者たちが持ち前のテクニックをベースとしながら、対戦相手に応じてしっかり作戦を立てて、粘り強く接戦に勝利してきた結果でもある。

言い換えればその間でメンバーは大きく変わっておらず、来年のリオデジャネイロオリンピック、さらにはその先を目指すために若手の突き上げが求められていることも確かだ。2年前のEAFF女子東アジアカップ2013は初戦で中国に2 − 0と勝利したものの、朝鮮民主主義人民共和国に引き分け、最後は韓国に1− 2で敗れて2位に終わった。優勝タイトルを目指す中で、なでしこリーグ得点王でもある菅澤優衣香(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)にはエース級の働きが求められるが、トリッキーなドリブルを得意とするMF横山久美(長野レディース)などにも注目が集まる。またリオデジャネイロオリンピックのアジア枠は2ヵ国しかなく、日本にとっても来年行われる(日程は未定)アジア予選の突破は簡単ではない。

その強力なライバルとなりうる3カ国に対して、良い形で勝利して今後の強化につなげていきたい。




韓国

韓国女子サッカーの歴史は浅い。1991 年の第8回アジア女子選手権に代表チームを送り込んだのが初めてだった。が、以来地道な活動を続けて、着実に成果を挙げてきた。

FIFA U-20女子ワールドカップ ドイツ2010で3位、FIFA U-17女子ワールドカップ コスタリカ2014では優勝にも輝いた。今年6月にカナダで行われたFIFA女子ワールドカップ カナダ2015では、悲願の1勝と初の決勝トーナメント進出も達成。2003年大会以来2度目のFIFAワールドカップ出場で達成したこの快挙は、「テハンナンジャ(大韓娘子)、新しい歴史を刻んだ」、「男子は48年かかった偉業、女子は12年で成し遂げた」と称えられ、FIFA女子ワールドカップ効果で7チーム構成のWKリーグへの関心も高まっている。

そんな成長著しい韓国女子サッカーが次なるターゲットとしているのが、昨年11月にグァム、香港、台湾と戦い、予選を勝ち抜いて出場権を得たEAFF女子東アジアカップ2015だ。チェルシーに所属するエースのチ・ソヨンや右足首を傷めているパク・ウンソンの招集は見送られたが、FIFA女子ワールドカップ カナダ2015でも采配を振るったユン・ドクヨ監督のもと、16強メンバーたちがふたたび集結。2005年大会以来2度目の優勝を目指す。前回大会では日本を相手に大金星も挙げた。FIFAワールドカップ カナダ2015からの勢いがあるだけに、今大会でも“波乱”を起こす可能性を十分に秘めている。

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